ストリートファイターV4は、スーパーバイクのパニガーレV4から派生したモデルとして誕生したネイキッドモデル。フェアリングが取り外され、バーハンドルが装着されたのは、これまでのストリートファイターモデル同様。2019年6月に行われたパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム(米国コロラド州)にプロトタイプが参戦し、この時点で、2019年秋のEICMA(ミラノショー)での一般公開、および2020年3月中旬ごろからの発売予定がアナウンスされていた。そしてEICMAに先立って行われた「ドゥカティ・ワールド・プレミア2020」(2019年10月23日開催)において、新型モデルの1台として発表された。V4以前のストリートファイター・シリーズが、当時のスーパーバイク(1098/848EVO)のパワーユニットを用い、ヘッドライトカウルにスーパーバイクのフロントマスクに通じる意匠が採用されていたのと同様に、ストリートファイターV4のそれもパニガーレV4を連想させるものだった。また、プレスリリース資料には、デザイナーがバットマンシリーズの悪役(ディラン)である「ジョーカー」にもインスピレーションを得たとも記されていた。車体の左右には、2枚づつのウイングも装備。270km/h時に28kgのダウンフォースを発生させ、フロントの安定性をサポートしていた。なお、この時代のハイパフォーマンスモデルらしく、様々な電子制御システムを搭載。6軸慣性測定機構によって車体の挙動を監視し、ライダーをサポートした。ストリートファイターV4には、上級仕様としてのSバージョン(ストリートファイターV4S)も設定された。2021年モデルでは、ユーロ5規制に適合。最高出力及び最大トルクの数値は変わらなかったが、その発生回転数が異なっていた。また、ブレーキとクラッチのマスターシリンダーが新しくなり、いずれも、エアが混入しても自動的にエア抜きを行う「セルフ・ブリーディング・タイプ」となった。