1299パニガーレの上位モデルとして、2015年に登場したのが、「Sタイプ」の1299パニガーレSだった。エンジンやフレームなどは、ベースモデルと共用しながら、足回りなどを強化したモデル、というのがSタイプの位置づけで、それは1299パニガーレSでも変わっていなかった。最大の特徴は、電子制御されたセミアクティブサスペンション(オーリンズ製スマートEC)を搭載したこと。路面の状況、加速、減速、バンク角などをセンシングして、ショックアブソーバ(緩衝器)のダンピング特性(減衰力)を自動的に最適化するセミアクティブサスは、ベースモデルにも搭載される様々な電子制御システムとあいまって機能することで、ライダーが自身のライディングに集中することをサポートしていた。また、SタイプではヘッドライトがLEDだったことや、カーボン製フロントフェンダーの採用などは、1199パニガーレ時代のSタイプと同じ。シフトダウンにも対応するようになったクイックシフター、TFTフルカラー液晶のメーターパネルなどは、1299パニガーレと同じ。2017年モデルまで設定され、翌年、スーパーバイクがパニガーレV4となるのを機に、SタイプもパニガーレV4Sにチェンジした。