1299パニガーレは、2015年に発売され、パニガーレV4が登場するまでの3シーズンの間ラインナップされたスーパーバイク。前身の1199パニガーレから搭載されていた、オーバースクエア型の「スーパークアドロ」エンジンは、シリンダーボアを4mm拡大して116mmとすることで(ストロークは変わらず60.8mm)、1,285ccの排気量を獲得していた。ドゥカティのスーパーバイクは、1098(2007年-)以来、スーパーバイクレースへの参戦を目的に、Lツインエンジンの排気量を1,200ccまでに抑えてきたが、1299パニガーレは、その範囲を超えていた。そのため、1,198ccエンジンのパニガーレRが別にラインナップされるようになった。1299パニガーレの特徴は、さまざなな電子制御システムによってライダーの操縦とマシンの挙動をサポートするようになったこと。排気量アップによって200馬力を超えたエンジンと、乾燥重量166.5kgの車体は、トラクションコントロール、エンジンブレーキコントロールなどが連動するライディングモードによって、さまざまな走行シーンやライダーのスキルに適合させることができた。また、クイックシフターは、シフトダウンにも対応するようになり、ライダーの負担軽減の一助になった。メーターパネルがTFTカラー液晶になったのも、2010年代後半のモデルらしいところ。上級仕様のSタイプ(1299パニガーレS)も同じ期間販売された。