2014年に登場した899パニガーレは、先行した1199パニガーレ(2012年-)の手法に則ったミドルクラスのスーパーバイクだった。「デスモドロミック」、「Lツインエンジン」、「トレリスフレーム」というドゥカティを象徴する3要素のうち、トレリスフレームを採用せずに、デスモドロミックを採用したエンジンを、アルミ製のモノコックフレームに搭載していた1199パニガーレに倣い、899パニガーレも、水冷L型2気筒デスモドロミック4バルブエンジンを、アルミモノコックフレームに搭載していた。前身の848(848EVO)時代から、レースレギュレーションの縛りを受けず、ストリートやサーキットにおけるファンライドに最適化されたエンジンの排気量は898cc。848EVO(849.4cc)からわずかに拡大された排気量は、シリンダーボアが100ミリ、ピストンストロークが57.2ミリというショートストロークタイプになることで得られた数値で、本国仕様109kW(148PS)を発生。848EVOコルセスペシャルで採用されたトラクションコントロール(DTC)とクイックシフター(DQS)も備え、ABSとDTCも連動させたライディングモード選択(レース/スポーツ/ウェット)も可能だった。2015年モデルまで設定され、翌16年には959パニガーレが後継モデルとして登場した。※画像および諸元は欧州仕様のもの。日本仕様には大型のサイレンサーが装備され、出力が絞られていた(118HP)