のちに、ドゥカティを代表するネイキッド・シリーズとなった「モンスター」だが、1993年に最初のモンスターである「モンスター900」が登場したときは、賛否両論だった。サーキットユース、フルカウルというイメージの強いドゥカティのラインナップに、ネイキッドはそぐわないというのが否定派の弁。しかし、結果的には、モンスターは幅広いユーザーをドゥカティへ連れてくることに成功することになった。シリーズの祖となったモンスター900は、スーパーバイク851系のトレリスフレームに、SS900譲りの904cc空冷Lツインエンジンを搭載。90年代前半ということもあり、燃料供給はキャブレターが行っていた。また、当時「ネイキッド」といえば、懐古的なスタイルや車体構成を持つのが一般的だったが(ゼファーなど)、モンスター900は、フレームがスーパーバイク譲りだっただけでなく、フロントフォークは倒立式で、シングルシートカウルを備えるなど、2000年代に生まれた「ストリートファイター」を先取りしたかのようなモデルだった。、なお、モンスター900は数次のマイナーチェンジとバリエーションモデルの展開を経ながら、2002年モデルまでラインナップされた。2000年には、フューエルインジェクションを採用。フレームも、2001年までが「スモールフレーム」と呼ばれた851系、2002年からは、剛性をアップしたST系の「ラージフレーム」といった違いもあった。2003年には、後継モデルのモンスター1000が登場した。