2008年に発売されたBMWのG450Xは、クロスカントリー(エンデューロ)競技用の車輌に、公道走行のための最低限の保安部品と機能を装備した特殊なモデルだった。排気量449ccの水冷4スト単気筒DOHCエンジンは、ボア98ミリ×ストローク59.8ミリのショートストローク型の高回転エンジンで、台湾のKYMCO社において生産されていた。競技用エンジンに近い仕様のため、いかにもフライホイールが軽いという印象で、アクセルを開けると瞬時に回転が増すエンジン特性が特徴だった。そのぶん、メンテナンススケジュールは短く、時間毎での作業が推奨されており、メーターには走行時間計が組み込まれていた。なお、G450X発売の前年(2007年)に、BMWははオフロードバイクブランドのハスクバーナを(カジバから)買収しており、このエンジンは、ハスクバーナ・ブランドでも使用された(スーパーモタードのSMR449)。BMWは、ハスクバーナを2013年に売却(KTMグループへ)したため、純オフロードレーサーに近いモデルは、G450Xがラインナップされたのみだった。ミッションは5速で、ホイールサイズは前21インチ/後18インチの「エンデューロモデルサイズ」。メーター表示は、ツイントリップ、平均速度、ストップウォッチ、ラップタイマー、(前述の)走行時間計、時計など、豊富だった。