BMWのF650GSダカールは、F650GS(単気筒エンジン)のバリエーションモデルとして、2000年8月に発売された。当時、BMWはパリ・ダカールラリーに参戦しており、2000年のパリ-ダカール-カイロラリーにおいて、F650RRが二輪クラスで優勝を飾ってもいた。そんな、BMW=ラリーレイドイメージを印象付けるために、F650ファンデューロはF650GS(ゲレンデ・シュトラッセ)へとモデルチェンジしていたが、それをさらに強調するモデルとして、F650GSダカールが設定されたということだった。標準モデルのF650GSに対して、オフロード走行性能を高めたモデルとしてのF650GSダカールの特徴は、前後サスの延長(フロントトラベルは+40ミリ/リアストロークは+45ミリ)やハンドプロテクターの装備、そして、フロントホイールサイズを、19インチから21インチに拡大したことにあった。標準モデルの19インチ、オフロード仕様車の21インチという組み合わせは、後年(2008年以降)のF650GS(2気筒・19インチ)とF800GS(オフロード仕様・21インチ)と同じ設定。その点では、F650GSダカールは、F800GSの先駆けとなるモデルということも可能だった。ウインドスクリーンやフロントフェンダーも、ダカール専用。細かな仕様変更(2004年モデルからツインスパーク化など)を受けながら、2007年モデルまで設定された。