KR250(1984年)の進化タイプとして、1985年に登場したKR250S。249ccの水冷2ストエンジンの2気筒を前後に配置したタンデムツインは変わらず、KVSS(カワサキ・バルブ・シンクロナイゼーション・システム)と呼ばれた排気デバイスを備えた。これは、2本の排気管をつなぐように小穴を設け、それをエンジン回転数に応じて開閉させ、圧力波を利用して低速トルクを補おうというものだった。外観上では、KR250ではハンドルマウントだったバックミラーがカウルへと移動した。なお、カワサキがロードレース世界選手権(WGP)への参加を休止したためか、次期モデルは1988年(KR-1)まで待つことになった。