1969年モデルとして前年末に発売されたヤマハスポーツ90HS1は、ツイン90ことAT90(1965)をベースに開発された新型モデル。AT90では4段ロータリーだったミッションは、HS1では5段リターン式となり、125AS1などで採用されたダイヤモンド型のパイプフレームに、高速型の90ccツインエンジンを搭載した。当時の販促資料には、「2気筒・2キャブ・5ポート・オートルーブ・5段変速、これこそが高速時代のスーパースポーツの名にふさわしいツイン90」との文言があった。5ポートとは、ロードレース用マシンで採用された理想的な掃気方式だった。