ジャコモ・アゴスチーニは、1960年代から70年代にかけてのロードFレース世界グランプリにおいて、数多くのタイトルを獲得したイタリア人ライダーで、そのキャリアの多くをMVアグスタとともに過ごした。MVアグスタのアイコン的な存在であり、モデル名やカラーリング名に、「Ago」が用いられることが多かった。2014年に発売されたF3 800 AGOもその1台。F3 800をベースに、アゴスチーニのグランプリバイクを忠実に再現したレプリカとして、世界限定300台で発売された。フェンダーは前後ともカーボン製、専用のアルミ鍛造ホイールはスタンダードよりも2kg軽量、左右のレバーは削り出し加工されたもの。トップブリッジにはシリアルナンバー入りのプレートが設置された。タンクの上に描かれたアゴスチーニのサインは、プリントではなく、本人が記した本物。バイクカバーなどの専用品が付属していた。ちなみに、彼のニックネームは「Ago」。イタリア語では「針」を意味し、発音は「アーゴ」。そのため、モデル名のカナ表記は、アーゴとした。