スプリントGTは、スプリントSTをベースに、ツアラーとしての性格を強調したモデルとして、2011年に登場した。その意図は、ST(スポーツツアラー)が、GT(グランドツアラー)に変化したことに明確となっているが、具体的な車体の構成としては、スイングアームの延長により、ホイールベースが、STよりも80ミリ長くなり、直進安定性が向上したことや、あわせてパッセンジャーシートも大きくなったことなどが挙げられた。また、スプリントSTではセンターアップだったマフラーが、一般的な右下一本出しに変更されているが、このことも車体の低重心下をもたらすことになり、安定性向上にも寄与していた。また、スプリントST時代から、日本向けには標準装備だったパニアケースは、容量が増大(31リッター)してもいた。排気量1,050ccの水冷3気筒エンジンは、吸排気系セッティングの見直しで、中低速域での扱いやすさと最高出力の向上(+5ps)が図られていた。ABS(アンチロックブレーキシステム)を標準装備。