トライアルスポーツバイクとして1986年4月に発売されたTLR250Rは、燃料タンクをメインタンク(4リッター)とシート下のサブタンク(2リッター)に分割して配置するという、世界初の「分割式センタータンク方式」を採用していた。これにより、トライアル車として欠かせないスリムな車体を実現しながらも、ナンバー付き(公道走行可)モデルとしての実用性も両立させていた。排気量244ccの空冷4スト単気筒OHCエンジンは、軽量で剛性の高い縦だ円断面形状のフレームに搭載され、ミッションは6段リターン式。実現した燃費は、55.3km/L(50km/h定地走行時)なので、理論上は1回の給油で300kmを巡航することができた。スイングアームはアルミ製で、リアサスはプロリンク。前後ホイールのスポークには、強度と弾性に優れたTLスポーク(Tangent Located Spoke)を採用。最低地上高は310mmもあり、エンジン保護プレートの形状もフラット。ハンドルの切れ角は、左右とも68度も取られていた。