2015-16年と、水冷エンジン搭載だけで構成されていたモンスターに、空冷エンジンモデルが復活。それが、2017年発売のモンスター797だった。2014年までラインナップされていたモンスター796と同系の排気量803cc空冷Lツイン2バルブ「デスモデュエ」エンジンを、欧州規制(EURO 4)に適合させて搭載し、与えらえたモデル名が「1つ増えただけ」なので、大きな変化は無いかのように勘違いされてしまうかもしれないが、実際は、まったく異なるモデル。それは、モンスター797のトレリスフレームが、モンスター696(2008年-)以前のモンスターのように、フロントからリアまでフル鋼管による構成になっていたことからも明らかだった。この2017年には、上位モデルのモンスター1200も、往年のモンスター・シリーズを思わせるようなスタイルに仕様を変更したこともあり、空冷エンジンで、フル鋼管のフレームを持つモンスター797は、コンパクトな車体構成(軸間距離は同年式のモンスター821よりも45mm短い1,435mm)もあいまって、軽快なハンドリング特性を持つモンスターへの原点回帰のようなモデルだった。ABSは装備されるが、トラクションコントロールやライディングモード選択機能は搭載されなかった。スマートフォン(当時主流だったパーソナルハンドデバイス)などを充電するためのUSB給電ポートは備えられた。