2016年に登場したモンスター1200Rは、その2年前からラインナップされていたモンスター1200/Sの新しいバリエーションモデル、ということで間違いではない。間違いではないのだが、「R」を名乗るだけあって、さまざまな違いがあった。まず、排気量1,198ccのテスタストレッタ11°DSエンジンは、専用チューニングを施すことによって、同年式のモンスター1200/S(135hp/145hp)を大きく上回る160hpを発生しており、前後のオーリンズ製サスペンションも、モンスター1200Sとは異なる仕様となり、ホイールベースはやや短く(マイナス2mmの1,509mmへ)、シート高は上げられた(プラス45mmの830mmへ)。また、リアタイヤは、200/55ZR17で、同じ年のスーパーバイク、パニガーレ1299と同サイズだった。ブレンボ製のブレーキも、1299パニガーレ同様で、ステアリングダンパー(オーリンズ製)も装備するなど、モンスター1200・シリーズの中で抜きんでた運動能力が与えられていた。また、ビキニカウル装備以外、同じように見える車体デザインも、実際はシートを含めてリアセクションが一新されており、ナンバープレートは、ハイマウントタイプになっていた。なお、モンスター1200/Sは、2017年モデルでマイナーチェンジを受けたが、モンスター1200Rは、登場時そのままの仕様で、2018年までラインナップされた。