ベンリィCB90JXは、ベンリィCB90(1970年)がマイナーチェンジするかたちで登場した小排気量のロードスポーツ。発売されたのは1972年4月だった。CB90JX最大の特徴は、機械式のディスクブレーキをフロントに用いた「JX-DISK」が設定されたこと。当時のプレスリリースには、ディスクブレーキの特徴として、「水に濡れても効きが余り変わらず回復が早い」「繰返し、ブレーキをかけても効きが落ちない」など、後年はわざわざ語られることもなくなったメリットが、きちんと記されていた。なお、「機械式」のため、ブレーキレバーの操作は、ワイヤーを介してキャリパーに届けられ、アームやカムなどを経てプレーキパッドを作動させるというものだった。パッドの隙間は自動調整式で、世界初採用(当時)。