F3ロッソは、2021年モデルとして新登場した。「「ロッソ」シリーズは、前年(2020年)モデルでブルターレ、ドラッグスター、スーパーヴェローチェの3気筒シリーズにそれぞれ設定されており、1年遅れて、F3にも設定されたことになる。タイミングとしては、欧州でのユーロ5規制の施行を受けてのことだった。ロッソは、装備を少し簡略化して、リーズナブルな価格を実現した、MVアグスタのエントリーモデル群のことだが、F3ロッソについては、カラーリングが赤(ロッソ)であったことが特徴。排気量798ccの水冷並列3気筒DOHC4バルブエンジンは、先行したロッソ3モデルと共通ながら、それらの最高出力が110HPほどであったのに対し、147HP(108kW)をマーク。動力性能では圧倒的な高次元にあった。電子制御系も2020年モデルのF3 800から進化しており、クイックシフターなどもバージョンアップ。クルーズコントロールやローンチコントロールも搭載し、メーターは5.5インチのフルカラー液晶が採用された。フロントサスはマルゾッキ製、リアはザックス製で、ともにアジャスタブルタイプだった。