タイガー850スポーツは、トライアンフのミドルクラスアドベンチャーモデルとして、2021年に新発売された。当時、タイガー・シリーズには1200と900がラインナップされていたが、それらに対してのエントリークラスというポジションが与えられていた。900が存在するのに850、とも思われたが、実際には両車の887.3ccエンジン(並列3気筒)は、排気量もボア×ストロークも圧縮比も、まったく同一。そのセッティングの差異がもたらしたターゲットの違いを、モデル名の数値で表現したものだった。最大トルクでいえば、タイガー900の87Nm/7,250rpmに対して、82Nm/6,500rpmという値。発生回転数が引き下げられ、より常用域での扱いやすさを重視したことがうかがえた。ライディングモードは2パターン(ロード/レイン)で、ABSとトラクションコントロールを搭載。灯火類は全てLEDで、メーターは5インチのカラー液晶。12V電源ソケットも標準装備した。