BMWのRナインティ・アーバンG/Sは、Rナインティを中心としたヘリテイジシリーズに2017年から加わったバリエーションモデル。モデル名に「GS」の名前があるように、R1200GSに代表される(当時)GSモデル群の一員でもあった。BMWのGSは、「ゲレンデ・シュトラッセ」の頭文字で、ざっくり意訳すると、「舗装されていない、田舎や山間の道路」といったところ。とはいえ、「アーバン」という言葉も入っているので、他のGSモデルのような、本気のデュアルパーパスモデルというわけでもなかった。Rナインティ・アーバンG/Sの外観は、GSモデルの祖でもあるR80G/S(1980年)がイメージされたもので、GとSの間のスラッシュも、R80G/S同様だった。排気量1,169ccの空油冷水平対向2気筒エンジン(ボクサーツイン)などの基本構成は、Rナインティ同様。グリップヒーターを標準装備し、ASC(オートマチック・スタビリティ・コントロール)を搭載していた。ASCは、駆動輪(リアタイヤ)の空転を検知して、トラクションを自動制御するというもの。また、欧州ではキャストホイールが標準仕様だったが、日本向けモデルはスポークホイールを採用していた。2021年モデルでは、欧州のユーロ5規制に適合し、レインとロードのランディングモード選択が可能になり、USB電源ポートを装備するなどの変更を受けた。※日本市場で2017年9月1日以降に出荷された車両には、ETC車載器が標準搭載された。