BMWのRナインティ・レーサーは、Rナインティを中心としたヘリテイジシリーズに加わった、ビンテージ・ロードレーサースタイルのモデルだった。日本では、2017年4月に発売された。ロケットカウル(ハーフカウル)、低くセットされたハンドル、シングルシートなど、懐かしいレーサーをそのまま再現したかのような姿が最大の特徴で、これも「当時感」の表現なのか、フロントフォークも正立式が採用されていた(ベースモデルのRナインティは倒立フォーク)。但し、ビンテージなのは外観上のことで、Rナインティ・レーサーの日本仕様には、ABSに加えて、ASC(オートマチック・スタビリティ・コントロール)も標準採用されていた。ASCは、走行時にリアタイヤの空転を検知すると、自動的にエンジンからの駆動力(トラクション)をカットして、車体を安定させようとする機構で、雨天時など、限界値が低くスリップしやすい場面での安全性を高めるものだった。排気量1,169ccの空油冷水平対向2気筒エンジン(ボクサーツイン)などの基本構成は、Rナインティ同様。※日本市場で2017年9月1日以降に出荷された車両には、ETC車載器が標準搭載された。