BMWのC600スポーツは、2011年11月に発表された大型スクーター。BMWでは「マキシスクーター」と呼称した。同じタイミングで、C650GTも登場し、BMWは、新たに参入したオートマチックトランスミッションの大型アーバンモビリティカテゴリーに、2機種を同時投入したことになった。日本市場では、2012年11月から(2013年モデルとして)発売された。名称は、C600スポーツながら、搭載された水冷4スト並列2気筒エンジンの排気量は、647ccで、C650GTと同じ。実際の排気量と異なる数字をあてがうのは、F700GS(798cc)などにも例があり、実排気量を車名に持つキャラクター違いのモデルが存在した(F800GSとC650GT)という類似点もあった。少ないほうの数字をあてがわれたC600スポーツのキャラクターは、その名称が示している通りのもので、やや低めのハンドルバー、シート、フットレストが作り出すライダーの3点ポジションは、アクティブなライディングを可能にするための着座姿勢を作り上げていた。エンジンの270度クランクが生み出すツインエンジンらしい鼓動感、エアロダイナミクス効果の高いフェアリングもあいまって、スポーツ性能を発揮するとともに、容量可変式のシート下トランク(ラゲッジスペース)、手動ながら可変式のスクリーンなども装備し、日常の使い勝手とのバランスも良いスクーターだった。2016年には、モデルチェンジを受けるともに、名称をC650スポーツに改めた。前述の通り、もともと647ccのエンジンを搭載していたが、名称変更があったため、別モデルとして項を分けた(続きは、C650スポーツを参照)。