MVアグスタにおける「RC」ラインは、同社の「Reparto Corse」(Reparto:部門/Corse:レースの)を意味する頭文字。すなわち、レーシング部門の息がかかったモデルラインということになっていた。2017年に登場したブルターレ800ドラッグスターRCは、レースに参戦するためのマシンというわけではないが、ドラッグスターRR(2016年)をベースモデルに、軽量化などによりパフォーマンスアップを図ったモデル。798ccの3気筒エンジンが生み出す140HPの出力やクイックシフターなどの電子制御はベースモデルゆずりで、カーボンファイバーを多用した外装パーツ、専用の鍛造ホイールが採用さえていた。2018年モデルでは、欧州のユーロ4規制に適合。時代の要請にこたえ、スポーツ性と環境性能、快適性を両立させた。翌2019年からは、「ドラッグスター800RC」としてラインナップされた。なお、ブルターレ800ドラッグスターRCはじめ、同時代のRCラインに描かれた「37」の数字は、誰かのゼッケンナンバーではなく、それまでにMVアグスタが獲得してきた世界タイトルの数に由来するものだった。