800cc3気筒のミドルクラス・タイガーシリーズは、2010年秋に、2011年モデルとして新登場した。設定されたのは2モデル。オンロード寄りのタイガー800と、オフロード走行性能を向上させたタイガー800XCがラインナップされた。このタイガー800(無印)は、フロント19インチのキャストホイールを装備して、XCの21インチ・スポークホイールとの違いを露わにし、XCの特徴的な「くちばし」状のマッドガードも、必要性が薄いため装備されていなかった。水冷3気筒エンジンは、スポーツモデルのデイトナ675やストリートトリプルに使われていたものをベースにしており、アドベンチャーモデルらしいトルク特性を実現するために、ピストンストロークを延長して排気量を拡大したものだった。タイガー800シリーズは、2015年モデルでフルモデルチェンジ。この際に、モデル名を変更。オンロード寄りのモデルは、タイガー800XR(クロス・ロード)、オフ寄りはこれまで通り、タイガー800XC(クロス・カントリー)となった。素の「タイガー800」は、タイガー800XRを後継モデルに、単一モデルの名称としては姿を消した。※タイガー800XRは別車種として記載