スピードトリプルSは、2016年にモデルチェンジを果たしたストリートファイターに設定されたニューモデル。同時に登場した新しいスピードトリプルRに対する、「標準仕様」という位置づけだった。エンジン、シャシー、ボディワークにさまざまな改良が加えられていたが(フロントブレーキキャリパーがブレンボ製モノブロックに)、この2016年モデルにおける最大のトピックは、電子制御の導入が大幅に進んだことだった。スロットルワークは、従来のケーブル式から電気信号でスロットル開閉を伝達するライドバイワイヤを採用。これにより、ライディングモードを5種類から選択できるようになった。トラクションコントロールも搭載され、その介入度は3段階から設定可能だった。ABSはオフにもできた。なお、日本市場へは、この2016年モデルが導入されたが、本国では2018年にマイナーチェンジ。このマイナーチェンジ版は、スピードトリプルRS(2018年-)の標準仕様という位置づけで、TFTフル液晶メーターやクルーズコントロールなどが搭載されていた。ライディングモードは、4種類に減った(RSは5種類)。