NV400カスタムは、1983年3月1日に発売された、400ccクラスのV型2気筒エンジン搭載アメリカンモデル。同じ日には、やはり400ccクラスのV型2気筒エンジン搭載アメリカンとして「CXカスタム」が発売されている。この、同日デビューの400ccアメリカンの決定的な差異は、エンジンの搭載方向。CXカスタムが、縦置き(クランクシャフト軸が進行方向)だったのに対し、NV400カスタムは、一般的な搭載(車体を横から見たときに、V字型となる)だったこと。なんとも贅沢な選択肢の提示だった。NV400カスタムの横置きされた399ccの水冷4ストV型2気筒SOHCエンジンは、吸気2+排気1の3バルブヘッドで、点火プラグはシリンダーあたり2本。6速目をオーバードライブ設定とした6段ミッションとシャフトドライブ、太めのリアタイヤなどによって、ロングライドクルージングを快適にこなした。1985年のマイナーチェンジでは、丸目ヘッドライトを採用し、リアシートには大きな背もたれが装備された。この後、NV400カスタムはスティード400(1988年-)へと繋がっていくが、NV400カスタムのシャフトドライブは受け継がれなかった。