BMW・R1200RSは、2015年モデルとして登場したフェアリング装備のロードスポーツモデルだった。水平対抗2気筒の「ボクサー」エンジン(1,169cc)を搭載したR1200・シリーズとしては最後発のモデルとなり、2019年には後継モデルのR1250RSが登場するため、実質的には3年ほどのモデルライフということになった。なお、Rシリーズの「RS(レンシュポルト)」としては、R1150RS(2001年-)以来の復活ということであり、R1200におけるフェアリング装備車としては、R1200ST(2005年-)の後継モデルという側面もあった。フロントマスクのイメージは、同時代のS1000RRに通じる、シャープなもので、エンジン形式による区分と、車体のキャラクター設定による区分がクロスしていることを、外観上でも表していた。6速ミッション、シャフトドライブ、フロントダブルディスクブレーキを組み合わせ、フロントサスは倒立式のテレスコピックフォークで、リアはパラレバー(EVOパラレバー)だった。なお、登場時点でR1200・シリーズの他のモデルは、すでにさまざまな電子制御技術が投入されるようになっており、R1200RSにも、ライディングモード選択機能(4種)、リーンアングルセンサー付きのトラクションコントロール、クラッチ操作なしのシフト操作(アップ/ダウン)が可能なクイックシフター(ギアシフト・アシスタントPro)、電子制御式サスペンション(ダイナミックESA)が採用されていた。