タイガー900ラリーは、2020年の新型モデルとして。2019年12月に発表された。同時にタイガー900及びタイガー900GTも登場しており、このラリーを含めた3モデルで、新しいタイガー900・シリーズがスタートした。タイガー900ラリーは、前身のタイガー800時代でいえば、XCに相当するモデルで、フロント21インチ、リア17インチのスポークホイールにオフロード寄りのタイヤを装備していた。タイガー900・シリーズは、ベースグレードとしてのタイガー900を基準に、装備の違いで計5バリエーション展開がなされており(2020年モデル)、タイガー900ラリーにも、単なる「ラリー」と、装備や機能が追加された上級仕様の「ラリー・プロ」が存在していた。排気量888ccの水冷3気筒エンジン(ユーロ5適合)やフレームなどは、ベースグレード含む5モデル共通で、タイガー900ラリーには、前述したホイールのほか、ショーワ製のアジャスタブルサス(ロード向けのGTなどよりもストロークが長い)や、ベースグレードには装備されないグリップヒーター、クルーズコントロールが備えられていた。また、ABSやトラクションコントロールはIMU(慣性計測装置)が組み合わせられ、ライディングモードは4種類から選択可能になっていた(グリップヒーター以下は900GTと同じ)。上級仕様の「ラリー・プロ」は、クラッチ操作なしにシフト(アップ/ダウン)が可能なクイックシフターや、シートヒーターも搭載され、エンジンガードやフォグランプも装備。ライディングモードには、「ライダー設定」と「オフロードプロ」が加わり、シリーズ中最多の6種類から選択可能になっていた。なお、タイガー900ラリーでは、チューブレスタイヤを使うことができるようになっていた。2024年モデルでアップデートされ、3気筒エンジンの出力/トルクがアップした。シートも変更され、長距離移動での快適性がアップした。急ブレーキの際に、自動的にハザードランプが点滅する緊急減速警告システムも採用された。なお、オフ走行向きのタイガー900ラリーは、「プロ」のみの設定となった。