890デュークRは、2021年モデルとして新たにKTMネイキッドシリーズに加わった。先んじて登場していた890デュークRに対する標準モデルにあたり、排気量889ccの水冷並列2気筒DOHCエンジン(LC8c)は基本的に同一ながら、最高出力を85kWに抑えたことなど、やや異なるセッティングが与えられていた。また、足回りの装備も「R」とは違っているが、そもそも、890デュークは790デュークの後継モデルであり、ミドルクラスネイキッドの中核としての進化を遂げたとしたほうが、理解しやすいものだった。ライディングモードは、スポーツ/ストリート/レイン/トラック(オプション)から選択可能。ABS、トラクションコントロールを標準装備。シート高は、890デュークR(834mm)よりもやや低い820mmだった。2022年には、バリエーションモデルとして890デュークGPが設定された。「GP」という名称は強いが、MotoGPマシンのようなカラーリングやパッセンジャーシートカバーなどの外装パーツが、890デュークとの差異だった。