アプリリアRS660は、欧州市場で2020年10月に発売されたミドルクラスのスポーツモデル。そのコンセプトモデルが発表されたのは、2018年のミラノ国際ーターサイクルショー(EICMA2018)で、翌EICMA2019での発表に続き、2020年9月に開催されたMotoGP第8戦エミリア・ロマーニャGP(イタリア/ミサノ)において市販車両が正式発表されていた。搭載された排気量659ccの並列2気筒エンジンは、同時代のRSV4 1100やトゥオーノV4に搭載されていたV4エンジンのフロント側2気筒をベースにしたもの。但し、シリンダーボアは、1100シリーズと同じ81ミリながら、ピストンストロークは11.6ミリ延長された63.9ミリだった。アプリリアらしく、さまざまな電子制御技術も導入されており、6軸IMUを中心に、コーナリングABS、トラクションコントロール、ウイリーコントロール、クイックシフター、クルーズコントロールなどを装備していた。ライディングモードは5種類で、公道用が3種、レーストラック用が2種類、用意されていた。灯火類は全てLEDで、メーターはフルカラー液晶。2025年モデルで仕様変更を受けた。主な目的は欧州の環境規制(ユーロ5+)への適合だったが、その際に、搭載される電子制御システムのアップデートを受け、ヘッドライト下には、空力デバイス(ウイングレット)を備えるようになった。同時に、上級仕様のRS660ファクトリーも登場した(別項)。