KTM・890アドベンチャーRラリーは、2021年の新型モデルとして、2020年10月に発表された。同時に発表された890アドベンチャーRの上位モデルであり、700台の限定生産モデル(世界)でもあった。2019年モデルからラインナップされていた790アドベンチャー/R/Rラリーにも搭載されていたLC8cエンジン(コンパクトな水冷4スト並列2気筒DOHC4バルブユニット)の排気量を、799ccから889ccまで拡大したことで、(前身の)790アドベンチャーRラリーよりも10psプラスの105psを獲得するとともに、欧州の環境規制であるユーロ5にも準拠。そのエンジンをクロモリ鋼のスペースフレームに搭載するところなどは、890アドベンチャーRと共通だったが、フラットな形状のシート、ストロークが長くなった前後サスペンション、細身のホイールリムにチューブタイヤの組み合わせなど、ハードなオフロード走行に適した様変更が加えられており、890アドベンチャーRではオプション設定だったクイックシフター(シフトアシスト)は、標準装備されていた。2020年12月に入り、日本市場へ20台が導入されること、販売は抽選になることが発表された。当選者への納車は、2021年2月から3月を予定していた。