ドゥカティの1098Sは、2007年モデルで新登場したスーパーバイク・1098の上位モデルとして同時に設定された。ドゥカティにとっての「Sタイプ」は、ベースモデル(この場合は1098)の足回りなどを強化したモデルで、1098Sも、1098ではショーワ製だった前後サスペンションを、オーリンズ製に換装し、同じくオーリンズ製のステアリングダンパー、鍛造ホイール、カーボン製のフロントジェンダーなどを備えていた。そのほか、ドゥカティ・データ・アナライザー(DDA)という走行データロガーシステムも標準装備。エンジン回転数やスロットル開度、ギアポジションなどの走行状況を、USB(当時の記憶媒体)に記録し、PC(パーソナルコンピュータ)上で確認することができるという仕組みだった。排気量1,099ccのテスタストレッタ(コンパクトヘッド)エボルツィオーネエンジン(水冷L型2気筒)や鋼管トレリスフレームは、ベースの1098と同じ。2008年モデルまで設定され、2009年にスーパーバイクシリーズが1198に進化するとともに、そのSタイプとして、1198Sが登場。後継モデルということになった。