2010年モデルからモデルヒストリーを紡いできたZX1200Zスーパーテネレの上級仕様として、2014年に新登場したのが、XT1200ZEスーパーテネレだった。ZX1200Zスーパーテネレのマイナーチェンジを機に設定されたことになる。モデル名に加わった「E」の一文字は、電動調整式のサスペンション(減衰力などを指先で調整可能)やグリップヒーター、標準採用されたリアキャリアとセンタースタンドなど、複数の専用装備を表していた。つまり、基本性能の高いアドベンチャーツアラーの機能をさらに高める「フル装備モデル」だったのである。エンジンやシャシーなどの基本構成は、同年式のXT1200Zと同じなので、一見すると「E」か否かを見分けるのは困難だが(キャリアなどは後から取り付けることも多いので)、車体右側にサイドカバーが付いていることで、XT1200ZEだと判断することが可能だった。日本国内仕様はラインナップされておらず、海外向けモデルが逆輸入車として販売されていた。