BMW・G650クロスチャレンジは、2007年モデルで新登場したG650Xシリーズ3モデル中の1台だった(他の2台は、クロスカントリー/クロスモト)。この新しいモデル群が搭載した652ccの水冷単気筒エンジンこそ、F650シリーズ(1993年-)用ユニットをリファインしたものだったが、車体を一新。新しくGシリーズを構成するようになった。G650Xchallenge(クロスチャレンジ)は、オフロードシーンでの、アクティブかつスポーティな走行性能を重視した本格的エンデューロ・マシンで、ホイール・サイズはフロント21/リア18インチを採用し、よりオフロード向けのタイヤ選択を可能としていた。細身でフラットな硬いシートは決して長距離を走るための設計ではなく、F650GSダカールの後継車でないことは明らか。もっとも特徴的な装備は、HP2エンデューロ同様に、リア・サスペンションにエア・ダンピング・システムを採用していたこと。エア圧を調整することで、シチュエーションに応じた最適なトラクションに近づけることが出来た。長いスプリングトラベルと930mmのシート高は、激しく荒れた路面での車体コントロールを重視したものだった。※2010年モデルまで設定された