1980年代に巻き起こった2ストレーサーレプリカブームには、カワサキも参入した。ロードレース世界選手権(WGP)250ccクラスを1978年から81年まで連覇したワークスマシンと同じ、2気筒エンジンを前後に配置した「タンデムツイン」という形式の249cc水冷4スト2気筒エンジンを搭載し、1984年に登場したのがKR250だった。アルミ製のダブルクレードルフレーム、フロント16インチ、リア18インチのホイール、アンチノーズダイブ機構(AVDS)を持つフロントフォーク、ショックアブソーバーを水平に配置したリアサス(ニューユニトラック)など、この時代のレプリカらしい装備でライバルに対峙した。翌85年にはKR250Sへとモデルチェンジ。変わり身のはやさも80年代らしさ。