2014年に登場したRC390は、373.2ccの水冷単気筒エンジンを搭載したロードスポーツ。排気量こそ違えども、MotoGPの軽量級クラスMoto3(4スト250cc単気筒)に参戦するKTMのマシン RC250Rにもっとも近いレーサーレプリカモデルといえるものだった。RC390は、スモールデュークのシリーズで400cc以下のストリートモデル市場に本格参戦したKTMが、次の一手として投入したRCシリーズの1台。390と同時に、ほぼ同じ外観を持つRC125が登場している。RCとは、レース・コンペティションの頭文字(R.C.)をとったもので、Ready to RaceをキャッチコピーにするKTMは、小排気量のオンロードスポーツでも、レーシングマシン直系であることからぶれていなかった。なお、日本ではあまり意識されないが、RC390も390デュークも、欧州のA2ライセンス(最高出力35kW以下などの条件)所有者に向けたモデルだった。2022年モデルでフルモデルチェンジ。エンジンは基本構成を継承しながら、エアボックス容量を拡大。電子制御スロットル(ライドバイワイヤ)、トラクションコントロールを採用。トレリス構造のフレームは、リアが別体式になった。そのフレームやホイールなどによって、大きく軽量化されたのもポイント。フェアリングデザインも大きく変わり、燃料タンク容量もこれまでの9.5Lから13.7Lにまで拡大された。また、ハンドルバーの高さは10ミリ調整が可能で、たとえばストリートとサーキットでの使い分けもできた。