1994年3月に新登場したXJR1200。前年開催の第30回東京モーターショーにおいて、ヤマハブースの中心に展示され、国内ネイキッドとして世界最大排気量を持つモデル(当時)として大きな反響を呼んだXJR1200は、ゼファー1100(カワサキ)やCB1000SF(ホンダ)に先行されたビッグネイキッド・マーケットへの挑戦者だった。ライバルを凌駕する1,188ccの空冷4スト直列4気筒DOHCエンジンは、FJ1200用をベースにしたもの。吸排気系を新設計することで、それまで空冷4気筒にありがちと言われた低中速域でのトルク不足を払しょく。安定した冷却効果を得るために、FJ1200比で1.4倍の容量を持つオイルクーラーを備えていた。ネイキッドらしいコンベンショナルな2本持ちのリアサスはオーリンズ製を採用。XJRシリーズとしては、93年に登場していたXJR400に続く第2弾モデルだった。95年モデルでは、フロントブレーキキャリパーにブレンボ製を採用し、96年モデルではオイルクーラーの更なる大型化などを図るとともに、ハーフカウルを装備したバリエーションモデルとしてXJR1200Rが設定された。1998年、後継モデルとなるXJR1300にバトンを渡し、その役目を終えた。