ストリートトリプル85は、2013年にストリートトリプル・シリーズがモデルチェンジを受けた際に登場した、「日本向けの」スタンダードモデル。一新されたストリートトリプル(及びデイトナ675)が、日本で求められた騒音・排出ガスの規制に適合できなかったため、エンジン出力を本国仕様よりも20psほど低い「85ps」に絞り、規制をクリアした。ストリートトリプルは、この年からダウンマウントされた短いマフラーを装備。ストリートトリプル85も同様で、これは、重量物を車体の中心に集める「マスの集中化」を行い運動性能を高めるための措置。ホイールの軽量化、これまでよりも立ち気味になったキャスター角なども、ストリートトリプル85のハンドリング特性を、よりシャープにすることを助けていた。キャンセルも可能なABS(アンチロックブレーキシステム)を搭載。本来よりも出力が抑えられたことで、ストリートトリプル85を一段低く見る向きもあったが、その85psは、10,000rpm時に発生する数値。ストリートユースにおいて不自由さを感じるようなものではなかった。