V型4気筒エンジンを搭載した耐久レーサーのRVF750でつちかった技術を、ロードバイクにフィードバックするというかたちで登場したのが、VFR750F(RC24)だった。発売は、1986年4月。同じV4エンジンを搭載するロードスポーツとしては、VF750F(1982年)の後継モデルという位置付けでもあった。ハーフカウルだったVF750Fに対し、フルカウル装備となったVFR750Fは、フレーム形式にアルミツインチューブを採用。海外では、(VF750F時代から)「インターセプター」という愛称で呼ばれてもいた。いわゆる「レーサーレプリカ」としては、87年に発売されるVFR750Rが存在しており、VFR750Fには、ツアラーモデルとしての性格が与えられていた。1990年にフルモデルチェンジを受け、RC36型となった。基本的な性格はRC24時代と同じながら、エンジンのバルブ駆動が、従来までのロッカーアーム式から直押しバケット式に変更されるとともに、バルブ挟み角も変更し、シリンダーヘッドをコンパクト化していた。リアスイングアームは、片持ちのプロアームに変更され、前後のタイヤはラジアルを履くようになった。以降、数年間生産が続けられ、次のモデルチェンジでは、エンジン排気量を拡大するとともに、モデル名は単に「VFR」とだけ表記されるようになった(VFR800と通称された)。