TLR200は、194ccの4ストロークエンジンを搭載したトライアルスポーツバイクとして、1983年4月に発売された。ホンダとしては、軽二輪車(126cc以上・250cc以下)として初の、公道走行も可能なトライアルモデルだった。RTL200登場の背景には、当時、トライアルを楽しむライダーが増えていたことがあり、加えて、トライアル世界選手権の1982年シーズンにおいて、ホンダのRTL360が4ストロークエンジン車として初のチャンピオンマシンに輝いていたということもあった。市販車TLR200には、レーサーRTL360で培ったエンジン・車体技術が注がれている、というのが、発表時の大きなトピックになっていた。エンジンは、低速で大きな凸凹のあるような不整地を走破するトライアル走行のために低中速域で強力なトルク特性を発揮するようセッティングされており、単体重量6.8kgの軽量なフレームは、スリムで剛性も高いことを狙った設計になっていた。なお、TLR250登場の2年後には、同じ軽二輪クラスのトライアル車として、TLM250Rが新登場。こちらは2ストロークエンジン搭載モデルだった。