RVF/RC45は、1994年1月と同年12月に、それぞれ限定で販売されたスーパースポーツモデル。「RC45」というホンダ内での型式を、そのまま車名の一部に用いたことは稀で、200万円という車両価格も含め、ナンバーを取得し公道を走ることは可能なものの、市販レーサーとして用いるためのバイク、と捉えるべきモデルだった。RVF/RC45の「元」になったのは、世界耐久ロードレースなどで活躍した「RVF750」で、RVF750レプリカとしては、VFR750R(1987年)に続く2世代目のモデルだった。エンジンはVF750セイバー/マグナからVFRシリーズまで進化してきた水冷4ストV型4気筒DOHC4バルブユニットながら、前身となったVFR750Rとはボア×ストロークは異なり、カムシャフトを駆動するためのカムギアトレーンの位置も、エンジン右端に移動(従来は中央だった)するなどの変更を受けていた。また、RVF750での実績をもとに、電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)とPGMイグニションを組み合わせて、低回転から高回転まで、全域でのエンジンレスポンスを得ていた。フロントフォークは倒立式、リアスイングアームは片持ち式のプロアームを採用。軽量なアルミホイールのサイズは、フロント16インチ、リア17インチで、(VFR750Rと違い)前後ともラジアルタイヤを採用していた。いずれにせよ、販売された台数は極端に少ない、1990年代半ばのスペシャルモデルとして、RVF/RC45は歴史に残るモデルとなった。なお、RVF/RC45に直系の後継モデルは存在しない。RVFが活躍したスーパーバイクレースでは(当時)、4気筒車が750ccまで、2気筒車は1,000ccまで認められており、この後、ホンダはベースモデルとして1,000ccのVツイン車VTR1000を採用したため。その意味では、VTR1000SP-1(RVT1000)は後継モデルと言うことも可能。※ホンダによる正式なモデル名は、RVF/RC45ながら、排気量に由来し(400ccモデルとの区分もあり)RVF750(ワークスレーサーと同じ名称)で呼ばれることもある。バイクブロスでは、市販モデルの通称として「RVF750」を併記した。