1979年4月に発売されたMB50は、ホンダとして初めての2スト50ccエンジン搭載の原付ロードスポーツモデルだった。ホンダの50ccスポーツとしては、1971年から4ストのCB50系が展開中で、そのCB50系モデルが、大排気量のCBシリーズと通じるオーソドックスなスポーツバイクのスタイルだったのに対し、MB50には、バックボーンフレームに、空冷2スト単気筒(49cc)エンジンを吊り下げたような特徴的なデザインが与えられていた。そのエンジンの燃焼室内形状は、「釣り鐘型」となっており、これは混合気の圧縮に効果的として採用されたものだった。最高出力は7.0psで、ミッションは5段リターン式。ブレーキはフロントが油圧式ディスク(リアはドラム式)だった。タコメーターも装備。翌80年には、セミアップハンドルのMB5を派生させた。MB50に始まったホンダの2スト原付ロードスポーツは、この後、MBX50(1982年)、MBX50F(85年)を経て、NS50F(87年)、NS-1(91年)へと連なっていった。