1980年代の前半から250ccの大型スクーターをリリースしていたホンダには、「先を見る力」があったということか、スペイシー250フリーウェイ(フリーウェイ)、フュージョンに続く大型スクーターとして、1997年にフォーサイトが発売された(foresight=先見の明)。いや、95年にはマジェスティ(ヤマハ)が発売されていたので、「ウチのほうが先だから」という意識が、モデル名の意図だったのかもしれない。80年代のフュージョンやフリーウェイと異なり、シャープでスタイリッシュなフォルムは、スポーツバイクのようでもあり、実際にカウル形状は走行時の空力特性も考慮されたものだった。前後連動のコンビブレーキの採用は、250ccスクーターとしては初めてのことで、ウインカーには(クルマのように)オートキャンセラー機構が与えられていた。1999年には、軽二輪を対象とした平成10年排出ガス規制に適合させるとともに、リアブレーキもディスク化した「フォーサイトSE」を追加設定。2003年からは、価格を引き下げたフォーサイトEXとしてラインナップされ、翌年モデルでグリップヒーターを標準装備したあと、生産が終了した。すでにホンダ250ccスクーターの主力モデルはフォルツァ(2000年)になっており、フュージョンも復活(2003年)していた中でのことだった。