2020年5月に発表され、6月に発売されたFTRカーボンは、インディアンのFTRラインナップに加わえられたプレミアムモデルだった。フラットトラックレース用のワークスマシンであるスカウトFTR750のレプリカモデルとして登場したFTR1200、その上級仕様車「FTR1200S」をベースに、名称通りのカーボンファイバー製外装パーツや、専用のサイレンサー(アクラポヴィッチ)を採用した、もうワンランク上の上級仕様という位置付けだった。搭載された排気量1,203ccの水冷4スト60°V型2気筒エンジンは、93kW(124.7hp)の最高出力を発揮。これはFTR1200Sから+3kWの数値だった。ABSやトラクションコントロール、ウイリーコントロールなどの車体の電子制御システムや、4.3インチのフルカラーメーターディスプレイ(USB充電ポート付き)などを装備していた。なお、インディアンモーターサイクルにおける名称は、「FTRカーボン」だったが、同時代のFTR1200及びFTR1200Sとの近似性を示すため、ここではFTR1200カーボンと表記した。