ライブディオに設定されたバリエーションモデルの「ST」は、前後連動式ABSを搭載した50cc(原付1種)スクーター。発売は1996年6月。より簡易な操作で、安心感のあるブレーキ操作を行うことを目的に、ハードブレーキによるホイールのロック(ロックすると滑る)を防止するABSと、左ブレーキレバー(後輪ブレーキ)操作に応じて、前輪にも制動力を発生させる前後輪連動ブレーキを組み合わせたものだった。原付2種にABS搭載が義務化されるより20年以上前に、原付1種にこのような機能を持ったスクーターが存在していたことになる。なお、前後連動ブレーキは、のちに「コンビブレーキ」という名称で各車に採用されていくが、この段階では、まだその名前は持たず、電子制御、ABSという要素とあわせて、「M.A.-C.(Motor Actuated Combined)ABS」と呼称されていた。96年12月にライブディオがマイナーチェンジして、コンビブレーキを採用するが、ABSは非搭載。ライブディオSTが、唯一の搭載モデルとなったが、19.9万円の車両価格は、マイナーチェンジ後のライブディオよりも5万円以上高価だった。