軽快なハンドリングやフットワーク、低速から力強く発揮される豊かなトルク、滑らかに吹け上がるエンジンなど、K75シリーズはK100シリーズ(1983年~)のライトウェイト3気筒740ccバージョンという、メーカーとしてはエントリーユーザーやビギナーに狙いを向けたものだったが、その中でも完璧にバランスが取れたK75の仕上がりは、むしろ玄人好みと言える。バイクらしい前後18インチ・ホイールにリア・ドラムブレーキは、1993年以降メーカー・オプションでABSの装備が可能となり(当時発売価格129万円)、前後ディスクブレーキ、リア・ホイールは17インチとなる。さらにローシートが標準装備となったことでライダーに余裕を与え、スポーツ性と乗り易さが高度に調和し、K75は実用性とライディングの楽しみを併せ持つ、K75シリーズの中でもとりわけ高い完成度を誇るマシンとなった。