ゴールドウイングをホンダ自身がカスタマイズしたモデルとして発売されたゴールドウイングF6Bに続くかたちで、2014年4月に登場したのが、ゴールドウイングF6Cだった。Bの次だからCというわけではなく、F6は、水平対向6気筒エンジン(フラット6)を示し、Cは「カスタム」を表していた(Bは「バガー」)。先行したF6Bでは、ベースモデルのゴールドウイングのデザインを継承しながらバガースタイルを構築していたのに対し、F6Cは、エンジンやシャシー構成をゴールドウイングから継承しながらも、独自のスタイリングを持つモデルだった。これは、かつてのワルキューレと同じであり、実際に米国では、ゴールドウイング・ワルキューレとして販売された。マッシブなデザインのF6Cは、ゴールドウイングならではの1,832cc水平対向6気筒エンジンがもたらす走行性能を、風を切る爽快感とともに体験するためのもの。F6B同様に、目指すのはユーザーのすそ野拡大だった。登場翌年の2015年にカラーチェンジを受けたあと、平成28年排出ガス規制の継続生産車への適用(2017年9月)には対応せず、カタログ落ちした。