CRF300ラリーは、2021年のニューモデルとして、海外市場向けに登場したオフロードモデルだった。2017年からラインナップされていたCRF250ラリーがモデルチェンジを受ける形で設定されたもので、基本的な構成は、CRF250ラリーから受け継いだものだったが、「車名の数値」が増えたことからも推測できるように、水冷単気筒DOHCエンジンの排気量は、それまでの249ccから286ccに拡大されていた。この排気量アップは、ピストンストロークを55ミリから63ミリに延長(ロングストローク化)することで得られたもので、欧州での環境規制ユーロ5にも適合していた。フレームやスイングアームなども改められ、ボディワークも変更された。この年には、日本市場向けのCRF250ラリーもフルモデルチェンジを受けており、エンジン以外の要素は基本的に同一だったが(ギアポジションインジケーターを備えた新型メーターなども)、方向指示灯(ウインカー)はLEDではなくバルブ式だった。2025年モデルでマイナーチェンジを受け、欧州規制のユーロ5+(プラス)に準拠した。ウインカーにもLEDを採用した。※日本市場未発売