ムルティストラーダ1200(2010年-)の登場以来、Sタイプは「1200Sスポーツエディション」や「1200Sツーリング」などのバリエーションで展開されてきたが、2015年のモデルチェンジを機に、かつての1000Sや1100Sのように、ムルティストラーダ1200Sというモデル名でラインナップされるようになった。2013年モデル(1200Sツーリング等)から搭載してきたセミアクティブサスのドゥカティ・スカイフック・サスペンション(DSS)は、進化型のDSS EVOとなり、フロントブレーキにはスーパーバイクの1299パニガーレ同様のブレンボ製M50キャリパーを採用。鍛造アルミホイールのデザインも専用デザインだった。なお、2015年からムルティストラーダ1200には可変バルブタイミング機構を持つテスタストレッタDVTエンジン(1,198cc)を搭載するようになり、ヘッドライトはフルLED化されて、メーターにはフルカラーTFT液晶(5インチ)タイプを採用していた。また、ロール(ローリング)、ピッチ(ピッチング)、ヨー(ヨーイング)の3軸の角度変化を測定する電子制御ユニットも搭載。たとえば、コーナリング中にもABSが効果的に動作できるようになるなど、車体の安定性が向上した。クルーズコントロールも標準装備。2017年モデルまで設定され、翌年にはムルティストラーダ1260Sが登場した。