BMW・F800GSアドベンチャーは、2013年に登場し、2018年までラインナップされたミドルクラスのアドベンチャーツアラーだった。ベースとなったのは、2013年にモデルチェンジを受けていたF800GSで、798cc水冷並列2気筒エンジンやフレームなどの基本構成は同じ。GS(ゲレンデ・シュトラッセ)モデルにおける「アドベンチャー」としては、R1150/1200GSアドベンチャーという先行車両があり、新しく登場したF800GSアドベンチャーの「アドベンチャー」たる要素も、先行車両どおりのものだった。その要素としては、大型化された燃料タンクが筆頭に挙げられる。F800GSの16リットルに対し、アドベンチャーのそれは24リットルとなり、無給油での走行可能距離が大幅に伸長していた。外観上の変化は、F800GSよりも大型化したタンクシュラウドや、エンジンガード、ナックルガード、大型ウインドスクリーンなどが装備されたこと。日本仕様には、電子制御式サス(ESA)と、トラクションコントロール(ASC)が標準装備されていた。2017年にはマイナーチェンジを受け、欧州のユーロ4規制に適合するとともに、電子制御式スロットル(ライドバイワイヤ)を採用。同時にライドモードの選択機能も搭載された。後継モデルは、2018年秋のEICMA(ミラノショー)で発表されたF850GSアドベンチャー。そのため、F800GSアドベンチャーは2018年モデルが最後になった。※日本市場で2017年9月1日以降に出荷された車両には、ETC車載器が標準搭載された。