排気量249ccの空冷4スト単気筒DOHCエンジンを搭載するロードスポーツとして、1983年5月に発売されたCBX250RS。そのエンジンは、当時「RFVCシステム」と呼ばれたバルブ配置と燃焼室形状を持つものだった。ガソリンと空気を混ぜた混合気を、理想的な効率で燃焼させるには、半球型の燃焼室であることが理想とされ、そのために吸排気のバルブを放射状に配置する必要があり、これを実現したのが、「放射状4バルブ方式燃焼室」ことRFVCシステムだった。理想的な燃焼効率によって得られた出力は30psで、リッター58kmの高燃費(50km/h定地走行時)も実現していた。スタイリング上は、とくに尖ったところもない一般的なカウルレススポーツといったところ。ミッションは6段変速、ブレーキはフロントのみディスク式(リアはドラム)。770ミリと低めのシート高で、高性能ながら扱いやすいベーシックモデルだった。85年には、よく似たモデル名のCBX250Sが登場するが、搭載するエンジンも異なる別車種だった。