2010年モデルとして、前年12月に発売されたKLX125は、小型限定二輪免許で運転できる原付2種のオフロードバイクだった。90年代まで、原付2種クラスにはXLR125やジェベル125などのオフロードモデルが存在していたが、KLX125が発売されたころには、国内向けに販売されるモデルとしては唯一の存在になっていた。とはいえ、フロント21インチ・リア18インチのホイールが「フルサイズ」とされたオフロードバイクに対し、KLXは19インチ・16インチで少し小さめ。ホイールサイズは悪路走破性に物理的な面で影響を与えるので、19/16インチであることが不利な部分もあるものの、サイズダウンによる足つきの良さは、たとえば「ヤブこぎ」のような場面では有利。装備重量が112kgと軽いこともあいまって、林道などでの扱いやすさは、小排気量ゆえの操る楽しさは、ベテランライダーも認めるところだった。もちろん、ひとまわり小さなサイズ、扱いやすさは、オフロード入門モデルとしてのKLX125が持つ美点。124ccの空冷4スト単気筒OHCエンジンには、フューエルポンプとインジェクターが別体式のフューエルインジェクションが採用され、冷間時の始動や高地での走行でも、回転数を自動的に補正、安定したアイドリングを実現するアイドルスピードコントロールが装備されていた。5速ミッション、デジタルメーターを装備。2012年モデルでシート形状などを変更して以降は、カラーチェンジのみでモデルイヤーを重ね、2016年モデルをもって生産が終了した。その前年には、姉妹モデルとして販売されていたDトラッカー125(KLX125のスーパーモタード版)がラインナップ落ちしており、2016年には、250cc版のKLX250も生産を終えた。